
講談社現代新書に「世界の村おこし・町づくり」という本がある。この本がなかなか面白い。10年以上前に書かれた本だが、少しも古くなっていない。それどころか、いままさにこの情報が役に立つ−−といっても良い内容だと思う。
たとえば、筆者はドイツのモーゼルにあるベルンカステルという人口7,000人の小さな村をたずねる。そこで、町の若い人を励ますための手作りの産業フェアを見る。小さなイベントから「地方に生きる若い人たちが将来に希望を失わないように、必死でがんばる行政の姿勢を見ることができた。これがまちづくりの出発点である。」と書いている。ワインでの村作りだけでなく、すでにこの村はリハビリ病院と老人ホームという、もうひとつの顔を持っている。このフェアでは、さらに将来に向けて、次の一手を探っているのだ。
イギリスのウェールズ地方にある13,000人の町では、「交通戦争のない安全な町が、町づくりの『種』である。道路を車道と歩道とに明確にわけ、子供を安心して学校に通学させる。大人も川辺を自由に散策できる。その道路網の整備と公園的な町づくりが、この町の企業誘致の仕掛けである。住みよい環境に誘われて若い能力のある人が集まり、産業が誘致でき、人口の増加をはかる過疎の町の最後の手段といえる。」と書いている。
このように、世界の町でおこなわれている「村おこし」や「町づくり」のさまざまな取り組みを伝えている。比較的規模の小さな町や村を取り上げているところがポイントだ。情報のすべてがそのまま役に立つというわけではないが、那珂川町でもすぐに応用できるヒントがたくさんある。
残念ながら、この書籍はすでに絶版になっている。しかし、幸運なことに、Amazonでユーズド品がたった1円で手に入る(別途送料が必要)。この筆者には申し訳ないが、絶版のおかげで良書が格安に手にはいるのだ。
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「世界の村おこし・町づくり」講談社現代新書 渡辺明次(工学博士、関東学院大学建築学科教授) 600円 ユーズドは1円から